Hello hadanakama

vol.15 シェンヤンさん(シンガポール)

大連のお手伝いさんに学んだ、
塩と砂糖の使いわけ!?

夏の夕方、どこからともなく太鼓の音が聞こえてくると思わずニンマリしてしまいます。
私は昔も今も盆踊りが大好きですが、虫たちは下駄をはいた素足が大好きですね。
今回のhadanakamaは、「自分で浴衣を着られます」という
在日10年になるシンガポール人のシェンヤンさんです。

text by 戸張郁子・llustration by 藤田ヒロコ

数年前シンガポールを訪れた時は雨期でしたが、蚊がいたという記憶がありません。 街中にグリーンは多いと思うのですが。
「それはそうでしょうね。観光客が多いスポットでは、徹底的に薬を散布して蚊がいないようにしていると思いますよ*(笑)」
シンガポールは蚊だけではなく塵一つ見かけないクリーンな都市としても有名なので、快適な環境づくりを徹底しているんですね。
“So, itʻs called the Fine City.” (だから素敵な街と呼ばれているの)
ただし、これはfineのもうひとつの意味「罰金」とのダブルミーニング。
「外国人でも街を汚したら罰金の対象ですから、気をつけてください」
ポイ捨てやタバコは厳禁です。
蚊といえば思い出すのは、長男のレオくんが5歳の時に住んでいた中国の大連での不思議エピソードだそう。
「ある日レオが顔を激しくかきながら部屋に入ってきて、見ると左の頰が大きく腫れて真っ赤。それを見た中国人のお手伝いさんが、キッチンから塩と水をもってきてなにやら練りはじめたの」
なんとなく想像がつきますね。
「やがて『蚊にさされたらこうするのよ』と言いながら、そのペーストをレオの頰に塗るというか、揉み込むというか…」
いかにもしみそうで大泣きすると思いきや、意外とけろっとしていたとのこと。
またある時は、
「お友達とぶつかってできた額のコブに『これでアザになることはないよ』と言いながら砂糖水を作ってぴたぴた塗ってくれたの**」 なんでも塩ではないところがリアルです。
“She looked so confident.” (彼女はとても自信満々に見えたわ)

今は日本でインターナショナルスクールに通っているレオくん。先日学校のキャンプで蚊にさされ、ふくらはぎが腫れ上がってしまった時に大連での記憶がよみがえってきたそうです。
「塩と水の配合がわからないから、私たちにはできないわね、と笑いました」
シェンヤンさんは、ご主人の仕事の都合でタイで暮らした経験も。
「タイの人たちはとにかく蚊にさされないようにと敏感で、しょっちゅうパチパチ叩いていました。日本では虫よけスプレーしていけば、花火ものんびり見られていいですね」

*シェンヤンさん独自の推察です。
**塩や砂糖による手当ては、あくまでも私的な習慣によるものです。

かゆい素肌に。hadana